プレミアム・ビジネス・パートナーズは、日本の伝統的な「和財」事業を手がけます

紐やベルトなどで足を固定する履物、サンダル。日本では古くから下駄や草履といった伝統的な履物があった。生活様式や服飾文化の変遷につれ、足元をカジュアルに装う履物も、徐々にサンダルが担うようになっていく。
愛媛県松山市でサンダル製造を手がけるヤマト株式会社は、1963(昭和38)年創業の国産サンダルメーカーの老舗だ。いわゆる廉価で日常的に使われる定番サンダルから、和紙を用いたポップでカジュアルなブランド「和所谷(ヤマト・トコロタニ)」まで、カジュアルな履物の中にも職人の「技」や「心」を大事にするモノづくりをすることで知られる。現社長の所谷保さんに、そうしたサンダル作りにかける思いなどを聞いてみた。
ヤマトの創業は1963(昭和38)年。創業者である先代社長は、創業前は靴屋で靴作りをしていたという。「ヤマトが創業した昭和38年というのはちょうど、サンダルが日本に入ってきたばかりの頃だったと思います」。所谷さんによれば、当時のサンダルは今のように素材も豊富ではなく、履き心地もあまりよくない品物だったという。「まだ馴染みのない新しい商品ということもあり、当時は素材が乏しく、柔らかい上質な素材というのも少なかったようです」。
そんなサンダルという新しい商品の中に、先代は可能性を見出し、これを工夫して改良していく。こうしたもの作りの姿勢は、お客様に履いて「良かった」と喜んでもらえる商品作りという伝統となって、所谷さんの代にも受け継がれてきた。「もの作りの基本の部分は父から受け継ぎました。購入したお客様に喜んでもらえるモノでなければ次に買っていただけません。"気持ちのこもった"商品を作りたいということにこだわっているつもりです」。
サンダル作りの工程は、大きく分けて「裁断」「縫製」「(縫製したものの)つり込み」「仕上げ」に分けられる。裁断は実際に足が触れるソールの部分や、アッパーと呼ばれる足を固定する紐やベルト、鼻緒などのパーツをデザインし、型紙に沿って切り抜く工程だ。裁断された各パーツは縫製の工程を経て完成する。そして、つり込みでパーツ同士が組み合わされてサンダルとなり、靴底の加工が施され、仕上げとなる箱詰めの工程を経て出荷される。「サンダル製造の工程は、それぞれの工程に専門業者がおり、分業制を取ることが多いです。一般的に、サンダルメーカーはつり込みから先を担当しているところが多いです」。
そうした中、ヤマトでは、裁断から出荷に至るサンダル作りの全工程を内製している。「会社の周囲に専門業者がいないという地理的な事情が第一にありますが、結果的に、一貫して全工程を担当することで、品質管理の面では目が行き届きやすいメリットがあります。手間やコストの面ではデメリットもありますが、自社製品の修理も全部自分たちで行えますし、お客様のことを思うとメリットの方が大きいかなと思います」。
